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Chi si contenta gode (心の満たされる人は富にも勝る)
をモットーに日々を考え事で過ごすマダヲ。
好きなものはもふもふした生き物。つるつるも好きですが虫はアカン。
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2025年09月08日 (Mon)
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2010年05月11日 (Tue)

なんていうか、最近ひどいです。あ、前から?そんなこと言ってはいけませんよお嬢さん(誰
ついったにもアクセスできとらん状態です…

さてそんな月翔が一体何をやっとるのかというと、絶賛気障な解答とツンデレな探偵にやられてます。

……いやいやいやそんな眼で見るなよ。オレを見るなあああああっ!!

今の最新作の映画が本当にやばくてですね。もう1412が大好きな私としては美味しい以外の何物でもない訳で。もともとこの作品に関してはピンクフィルターあんまり掛からんやろと油断してたんです。ところがどっこい新作映画があまりにも


Kコッ………!!!


過ぎたんです。全てはアニメ制作会社の陰謀です。おまいら愛してる!(黙ろうか)


すみません←←


んで相方に約束したので、ついでに制作時間二時間半(実際そんな掛かってないとか←)のブツを追記に載せます。SSにしてはちと長いかもですが、まあ暇つぶしにでもしてみてください。


今ならKコ(むしろ作品に関して)24時間以上アツく語れる自信があります。てゆーかお話したい。胸がぐつぐつ言ってる。やっぱりたぎってます。


んなわけで、妄想と勢いで仕上げたブツ、乗っけます。


あ、言うまでもないとは思いますが、気障で芸術家の探偵と小さくなっても頭脳は同じな小学生とかが絡むなんてありえねえキモい!というお考えの方は以下の追記を展開してはなりません。



 

たった一つの権利くらい、譲ってくれてもいいだろう?

 

 

 

 

 

鎮魂歌を君と

 

 

 

 

 

「なるほど、そういうことか」

「そういうこっちゃな」

顔を近づけ秘密の共有をするのが楽しそうな2人は、まるでこちらのことなんて忘れてしまったかのようだ。

「ふーん」

心中は限りなく恋する少年Aなのに表面上は楽しそうに片眉なんかを上げてしまう白馬探――もとい怪盗キッドは、目の前で数々の証拠からまるでパズルを解くように推理を展開する西の高校生探偵服部平次と、見た目はどこまでも生意気そうな小学生なのに実は高校生という、手品ではない本当の魔法に掛かっている少年、江戸川コナン――もとい東の高校生探偵、工藤新一の2人を眺めていた。

白馬に扮して2人と共に行動を取ったのは良かったが、自分の置いてきぼりさは少々、いやかなり気に食わない。本物の殺人事件などという生臭いものには関わることがあまりなかったキッドと、何百という事件を見てきた2人とはまた別なのだと、小さな棘がキッド胸を刺した。

服部平次という男は見た目からして暑苦しいが、推理の段になるとまるで抜き身の真剣のように慧眼さを見せる。コナンに関しては言うまでもなく(正直これで本当に彼の幼なじみやその父親にバレてないというのが信じられない)、小学生らしからぬ洞察眼を発揮する。

人前にも関わらずコナンを工藤、工藤と呼び続ける西の男は、まるでこちらに見せつけるかのようだ。眼中にないと思ったが、その認識は改めるべきなのかもしれない。そう思わせるほど、この男が少しどころでなく気に食わない。

せめて犬のように使われコナンの役に立てばいいと寺井に頼んだ情報と合わせ説明するために彼の携帯で写真を撮らせ、その携帯を掏り取った。剣道家と聞いたが隙だらけじゃないか?と皮肉に思いながら、画像フォルダを漁る。

瞬間、危うく変装が解けそうになった。

『***』というパスワードの掛かったフォルダ名をいやな予感と共に開いた自分を僅かに後悔しながら、それでも閉じられない自分はきちんとポーカーフェイスができているのだろうか。

そこには笑ったり呆れたり驚いたり、様々な表情を見せるコナンの画像が入っていた。

纏めていることに、意味などないのかも知れない。コナンの置かれている状況は特殊だ。万が一のことを考えて一度に削除できるようにしているのかもしれない。

だがパスワードが工藤新一の誕生日だったとか、意味深なフォルダ名が自分をどこまでも疑心暗鬼にさせる。

――つか間違いねえよな。

静かに、冷静に、服部平次という男を今までのコナンの付随人物リストから外し、危険人物リストに加える。

全く彼には動揺させられてばかりだ。だがそんな自分も嫌いじゃない、とどこまでもキッドとして不敵に笑う。

その後、依頼人から放たれた刺客がこちらに向かってきた時、二手に分かれようと言われチャンスを見出した。もう白馬としての情報提供も収集も不要、さっさとこの気に食わないゲームを終わらせるべく一人になり戦線離脱しようとした。だが服部と共に行動すると思われたコナンは、躊躇うことなく白馬である自分と走り出した。

それが服部平次への信頼なのではという考えに至ったとき、どす黒い嫉妬の念が噴き出しそうになる。

張り合うことに意味など無い。なのに、今すぐこの変装を解いて彼らの前に姿を見せつけたい。そうしたら男の前で彼を浚ってしまえるのに。

できる筈もないことをつらつらと考え自嘲を隠せない。

そして逃げ出した先でIDや服にペンキを付けられ面倒な、と溜め息を吐くキッドを余所にコナンは自らのスケボーで敵を一手に引き受けた。

あの剣道ボーヤが1人でも片付けてくれればよかったものを!と、八つ当たり以外の何ものでもない悪態をつきながら、コナンと別れた後にすぐさま変装を解いて翼を広げた。昼間に銃で狙われれば反撃などという余裕はないが、夜の世界はキッドの味方だ。

空からの奇襲で1人を転ばせ、あともう一人はどこだと上昇し目を凝らせば、スケボーを撃たれ川に落ちてゆく影が見えた。

ぶわりと膨らんだ焦燥感そのままに川に落ちそうになったコナンを寸前で抱き締める。刺客は川に落として満足したのか、そのまま美術館の方に向かっていった。

あまりの低空飛行に少しバランスを崩しかけたが、焦らず上昇する。

「おい、……おい!しっかりしろ!」

頭でも打ったのかと蒼くなったが、気を失っているだけらしい。はあ、と安堵の溜息が零れる。地面に下ろし、怪我がないか軽く身体を検分すると、左足が折れたかひびが入っているらしい。軽く応急処置をしてコナンの保護者と聞いた阿笠博士に連絡を取った。すぐこちらに向かってくるとのことなので、再び白馬に扮し、コナンを阿笠に預け自分はさっさと美術館に向かわなければならない。

だが、キッドはしばらくその場から動けなかった。

大切な人たちの命が狙われたり、自分の正体がバレてしまっているのではないかという恐怖に晒されながら訳も分からず振り回され、心身共に疲労がしたのだろう。あどけない顔のコナンの額にかかった髪を撫でつけながら、怪盗はこの小さな恋人を想う。冷静沈着、という探偵として一番必要な性格の一方で、罪に対する正義感はすれてしまった自分などより、到底こんな身体には収まりきらないほど熱い心を持っている。

だからこそ、どうしようもなく惹かれたのだ。羨望、憧憬、愛情、嫉妬、征服欲、それらすべてをどろどろに煮詰めてできた林檎の味は、苦くも至上の美味だった。

「……愛してるよ」

伝えたことのない、伝えるつもりもない言葉を相手が気づかないからと口に乗せる自分はきっと、とても臆病なのだろう。

悪戯で仕掛けるキスとも、熱を分かち合いたくてぶつけるキスとも違う、厳かな心地のなかでキッドはコナンの額に口唇で触れた。

三秒も満たないほんの僅かな触れ合いだったが、不思議な力が流れ込んできたようにふわりと心が凪ぐ。なのに、泣きそうなのはどうしてだろう?

キッドである内はひたすらに自分を隠せる筈なのに。

戸惑いながら、でも悪い気はしない。そのことに満足している。

どこまでも優しく微笑む自分を、キッドは自覚していない。

古いワーゲンのエンジン音が聞こえ、夜の支配者はマントを翻した。

 

 

自らの腕に付けられたIDが爆発せずに外せたことから、彼が無事解決したことを知った。警察関係者に扮してミラクルランドに入り込み、彼の無事を確認して去ろうとIDを持ち主に返す。ペンキを付けてしまったことは予定外だったが、どうせ爆発物処理班に回されて分解されるのだからまあいいだろう、と鞄に忍ばせた。

心中なんてつもりはなかったが、――なかったと思うが、それはそれで然るべき末路だったのかもしれない。だが今自分は助かっている。それも一つの答えなのだろう。

一人ごち、最後にスーパースネークに乗るという彼らを見ながら飛び去るか、とハンググライダーを広げジェットコースターに近づく。

すると、慌てた様子のコナンが見えた。おや?と思ったら一番前の少年の腕にIDがある。

おいおい最後まで落ち着かねえなあと苦笑しながら、さてどうしたものかと考えていたらちょうどいい風が吹いた。この後押しもさることながら、悪戦苦闘する彼を目の前で死なせるわけにはいかない。

また不敵に笑いながらキッドは自分とジェットコースターとの交点で、後部座席に引っ掛かったまま彼らを死なせんと怨念のように落ちないIDを掠めとる。

その時の、彼の顔といったら!

それは一生胸の中のシークレットフォルダで保護されて、大事に仕舞われているだろう一枚だ。

「ああ、いい風だな」

ふわり頬を撫でる風に浮き立つ心。

キッドは一仕事終えた充足感に満たされ、黒羽快斗に戻るべく闇の中へと飛んでいった。

 

 

 

―――――

 

まあたった一つの権利が、絶対に譲れないものなんだけどな。

 

後になって、キッドがコナンへとそう笑いかけて、コナンが真っ赤な林檎のようになるのはまた、別のおはなし。

 

 

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